痛風とは

尿酸は体の新陳代謝により発生する老廃物の一種で、尿酸の割合が体内で増え過ぎている状態のことを高尿酸血症と言います。高尿酸血症の段階では自覚症状はありませんが、尿酸値が高い状態が続くと尿酸が結晶化します。その尿酸の結晶が関節や臓器に溜まることで、最終的に痛風を発症します。通常では、高尿酸血症の状態が5年以上続いた場合に痛風の発作が出ると言われています。
痛風は名前にある通り「風が吹いただけで痛い」とされる程の激痛を伴うことや、主に男性に多いことが特徴です。痛風は、結晶化した尿酸が腎臓に溜まることで腎不全を引き起こすことや、高血圧や脂高脂血症を合併して心疾患や脳疾患に繋がる可能性もあり、命に関わる疾患ですので、早期の対策が非常に大切です。
痛風の症状
痛風の主な症状としては、前触れなく起こる突然の激痛です。主に足の親指の付け根付近で発作が起こりますが、足の甲やかかと、足首の付近に発生するケースもあります。突然の激痛の他には、患部が熱を帯びることや、赤く腫れ上がるといった症状があります。痛風の発作を2回以上経験している方の中には、症状が起こる前の前兆として、関節のしびれやかゆみなどの違和感があるケースも存在します。
痛風の原因
痛風の原因には、食生活の乱れが大きく関係しています。尿酸はプリン体が分解されることで発生します。プリン体は新陳代謝によって生成されますが、プリン体を含んだ食品からも摂取されます。プリン体を多く含む食品の具体例としては、レバー・牛肉・海老・アンコウの肝などの動物性食品や、ビール・日本酒といったアルコール飲料が該当します。これらの食品の摂り過ぎはプリン体の過剰摂取に繋がり、痛風の原因となります。更に、アルコールの過剰摂取と肥満の状態は、身体が尿酸を体外に排出する働きを妨げることが明らかになっています。
痛風の治療
痛風の発作を治療には炎症や痛みを和らげる炎症鎮痛薬を使用します。通常、1~2週間で緩和されていくことが殆どです。また、根本の原因を解消するためには、尿酸値を下げる薬を服用しながら、食生活を中心とした生活習慣を改善することが重要です。プリン体を多く含む食品を連続して摂取することを控え、食べ過ぎやアルコールの飲み過ぎに注意しながら、適度な運動を習慣にすることを心がけましょう。
痛風の適切な食事
痛風を改善するために食事面で気を付けるべきことは、プリン体を多く含む商品を避けるだけでなく、食事全体の量を減らすことで総カロリーを制限することです。脂っこい食品や高カロリー食品は、続けて食べないように注意しましょう。また、プリン体は水溶性ですので、煮る・茹でる等の調理法によって摂取量を減らすことも可能です。ただし、寒い時期の鍋などでは煮汁に多くのプリン体が溶け出しているため、雑炊や〆の麺類は食べる量に気を付けましょう。
痛風と脳疾患の関係
痛風や高尿酸血症の疾患があり尿酸値が高い方は、尿酸が血管壁を損傷させることや、高血圧や高脂血症を合併しやすいことで、動脈硬化が進行していきます。動脈硬化が進行すると、健康な人と比較して2~3倍程度、脳卒中を発症するリスクが高まると言われています。
健康診断時に尿酸値が高いことが判明した方や、現在の尿酸値を検査されたい方は、当院までご相談ください。
痛風のご相談は盛岡市のくわた脳神経外科クリニック
脳神経外科領域は全身症状に通ずるものが多いこともあり、盛岡市にあるくわた脳神経外科では内科領域の疾患についても診療を行っておりますので、お気軽に受診ください。