脳卒中|盛岡市のくわた脳神経外科クリニック

脳卒中とは?

脳卒中(のうそっちゅう)は、脳の血管に異常が生じることで、脳の機能が突然障害される疾患の総称です。日本語では「脳卒中」、英語では「Stroke(ストローク)」と呼ばれ、その発症は「雷に打たれたように突然」という意味を持っています。脳は常に血液からの酸素と栄養素の供給を必要としており、血流が途絶えると数分で脳細胞が死に始めるため、緊急の対応が必要な疾患です。

脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の違い

脳卒中は主に以下の3つのタイプに分類されます。

脳梗塞

脳の血管が詰まり、血流が遮断される状態

脳血栓症:動脈硬化などにより徐々に血管が狭くなり詰まる

脳塞栓症:心臓などから血栓(血の塊)が飛んできて脳血管を詰まらせる

ラクナ梗塞:小さな血管が詰まる小梗塞

脳出血

脳内の血管が破れ、脳実質内に出血する状態

くも膜下出血

脳の表面を覆うくも膜の下の空間に出血する状態

日本では脳梗塞が全脳卒中の約75%を占め、脳出血が約20%、くも膜下出血が約5%の割合となっています。

脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の違い

種類主な原因主な症状発症の特徴
脳梗塞動脈硬化、心臓からの血栓片麻痺、言語障害、感覚障害など朝方や安静時に多く、徐々に進行することもある
脳出血高血圧による血管破裂激しい頭痛、嘔吐、意識障害、片麻痺など活動時に多く、症状が急速に進行する
くも膜下出血脳動脈瘤の破裂「バットで殴られたような」激しい頭痛、嘔吐、意識障害労作時・排便時・性行為中など急激な血圧上昇時に多い

脳卒中の主な原因とリスク因子

脳卒中の最大のリスク因子は高血圧です。その他にも以下の生活習慣病が脳卒中の発症リスクを高めます。

高血圧:脳卒中リスクを2〜4倍に増加させる最大の危険因子

糖尿病:血管のダメージを加速し、脳梗塞リスクを2〜3倍に増加

脂質異常症:悪玉コレステロール(LDL)の増加は動脈硬化を促進

心房細動:心臓内で血栓ができやすく、脳塞栓症のリスクを5倍以上に増加

動脈硬化:血管の弾力性低下と狭窄を引き起こし、脳梗塞の直接的原因に

これらの疾患は互いに関連しており、複数の疾患を持つことでリスクは相乗的に高まります。定期的な健康診断による早期発見と適切な治療が重要です。

喫煙、運動不足、ストレスなどの危険因子

生活習慣に関連する危険因子として、以下のようなものがあります。

喫煙:血管を収縮させ、血栓形成を促進。脳卒中リスクを1.5〜2.5倍増加

運動不足:高血圧、肥満、糖尿病のリスクを高め、間接的に脳卒中リスクを上昇

過度の飲酒:特に大量飲酒は高血圧を悪化させ、脳出血リスクを高める

肥満:特に内臓脂肪型肥満は様々な生活習慣病のリスクを増加

ストレス:血圧上昇、免疫機能低下などを通じて脳卒中リスクに影響

睡眠不足・睡眠時無呼吸症候群:高血圧や血管障害のリスクを高める

これらの因子は改善可能なものが多く、生活習慣の見直しによって脳卒中リスクを大幅に低減できます。

若い人の脳卒中発症リスクとその特徴

若年性脳卒中(50歳未満での発症)は全体の約10%を占めており、以下の特徴があります。

特有の危険因子

・先天性心疾患や血管異常

・血液凝固異常

・薬物使用(特に覚醒剤など)

・経口避妊薬の使用(特に喫煙者)

・妊娠・出産関連(特に妊娠高血圧症候群)

生活習慣で増加する危険因子

・若年層でも増加している肥満、高血圧

・過度のストレスや長時間労働

・運動不足と不規則な生活

若い方でも頭痛、めまい、突然の麻痺などの症状を軽視せず、速やかに医療機関を受診することが重要です。

脳卒中の初期症状・前兆

脳卒中の早期発見・早期治療が後遺症を最小限に抑える鍵となります。以下の症状が突然現れたら、脳卒中の可能性があります。

FAST(ファスト)法による脳卒中の症状チェック

F(Face):顔の麻痺(片側の顔の歪み、笑うと口が曲がる)

A(Arm):腕の麻痺(片側の腕が上がらない、力が入らない)

S(Speech):言語障害(ろれつが回らない、言葉が出てこない)

T(Time):時間(これらの症状があればすぐに救急車を呼ぶ)

その他の注意すべき症状

突然の激しい頭痛

めまいや立ちくらみ、ふらつき

視力障害(突然見えづらくなる、視野が欠ける)

吐き気や嘔吐を伴う激しい頭痛

意識の混濁や失神

脳卒中の診断・検査とくわた脳神経外科クリニックの特徴

CT・MRI・血液検査など主な検査方法

脳卒中が疑われる場合、CTやMRIによる脳画像診断が早期治療のカギとなります。出血か梗塞かを迅速に判別することが重要です。あわせて、血液検査や心電図検査で原因を探ります。

頸動脈や脳血管の画像診断・評価

くわた脳神経外科クリニックでは、頸動脈エコーやMRA(磁気共鳴血管画像)を用いた詳細な血管評価を行っています。脳卒中の予防や再発防止に役立つ診断を行い、適切な治療プランを提案します。

脳卒中予防のために、生活習慣の改善と日常でできる対策

・塩分を控えた食事を心がける

・禁煙し、適度な有酸素運動を取り入れる

・定期的な血圧測定で自身の状態を知る

といった習慣が、脳卒中のリスクを大幅に減らします。

ストレス・飲酒・体重コントロールのポイント

慢性的なストレスは血圧を上昇させ、過度な飲酒も血管に悪影響を与えます。また、肥満は動脈硬化を進行させる原因にも。バランスの取れた生活が、脳を守る第一歩です。

高血圧・不整脈・心房細動の定期チェックの重要性

特に心房細動は、無症状でも脳梗塞の大きなリスクとなります。定期的な心電図・血圧チェックを習慣にし、早期発見・早期対応を心がけましょう。

脳卒中のご相談は盛岡市のくわた脳神経外科クリニック

当院は、脳神経外科専門医が常駐し、脳卒中の予防から診断、発症後のケアまで、総合的に対応いたします。
盛岡市・周辺地域にお住まいで「脳卒中が心配」「再発が不安」「家族に発症者がいる」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。あなたとご家族の「これから」を守るお手伝いをいたします。