頭痛外来|盛岡市のくわた脳神経外科クリニック

頭痛外来とは

頭痛外来とは、頭痛を専門的に診療する外来のことです。一般的な外来診療と異なり、頭痛の症状に特化した問診、診察、検査を行い、患者様一人ひとりの症状や生活環境に合わせた最適な治療プランを提供します。

当クリニックの頭痛外来では、脳神経外科専門医が最新の医学知識と豊富な臨床経験を活かし、慢性的な頭痛でお悩みの方から突然の激しい頭痛に襲われた方まで、幅広い頭痛症状に対応しています。単に痛みを抑えるだけでなく、根本的な原因を突き止め、再発防止や生活の質の向上を目指した総合的なアプローチを行っています。

誰もが経験したことのある頭痛

頭痛は現代人にとって極めて一般的な症状であり、日本人の約4割が「頭痛持ち」だと言われています。しかし、その頻度や痛みの強さ、性質は人によって大きく異なります。

  • 軽い頭痛で日常生活に支障がない方
  • 定期的に強い頭痛に悩まされている方
  • 突然の激しい頭痛で救急受診される方

このように頭痛の現れ方は様々です。「みんな頭痛くらいあるもの」と我慢していませんか?適切な診断と治療を受けることで、多くの頭痛は改善または管理可能になります。

頭痛による日本の経済損失は年間約3000億円とも言われており、社会的にも大きな問題となっています。頭痛は単なる「症状」ではなく、適切に治療すべき「疾患」なのです。

当院の頭痛外来について

当クリニックの頭痛外来では、以下の特徴を大切にしています

くわた脳神経外科クリニックの頭痛外来の特徴
1.専門性の高い診療
脳神経外科専門医が直接診察し、最新の医学的知見に基づいた診断・治療を提供します

2.丁寧な問診
頭痛の性質、発症状況、生活習慣などを詳しくお聞きし、適切な診断につなげます

3.最新の検査機器
必要に応じてMRI、CT、超音波検査などを行い、二次性頭痛の可能性を適切に評価します

4.多角的なアプローチ
薬物療法だけでなく、生活指導や予防法まで含めた総合的な治療を提案します

5.継続的なサポート
慢性頭痛は長期的な管理が必要なことも多いため、継続的なフォローアップを行います

初診時は約30分のお時間をいただき、頭痛の発症時期、頻度、場所、痛みの性質などを詳しくお伺いします。頭痛ダイアリー(頭痛記録)をつけていただくことで、より正確な診断と治療効果の評価につなげています。

頭痛の種類

頭痛は大きく「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分類されます。一次性頭痛は頭痛そのものが病気であるもの、二次性頭痛は脳腫瘍や脳出血などの他の疾患が原因で起こる頭痛です。

一次性頭痛

片頭痛

片頭痛は日本人の約8%が経験する頭痛で、女性に多く見られます。主な特徴は以下の通りです。

  • 多くは片側の頭が脈打つように痛む(両側のこともあります)
  • 数時間から数日間続く中〜強度の痛み
  • 光や音に対する過敏性がある
  • 吐き気や嘔吐を伴うことがある
  • 日常的な身体活動で痛みが増悪する

片頭痛の約30%の方には「前兆」と呼ばれる視覚症状(きらきらした光、視野の一部が見えないなど)が現れることがあります。ストレス、睡眠不足、特定の食べ物(チョコレート、赤ワイン、チーズなど)、女性ホルモンの変動などが引き金になることが知られています。

当クリニックでは、急性期の治療としてトリプタン系薬剤や鎮痛剤の適切な使用法を指導するとともに、頻度の高い片頭痛に対しては予防薬の処方も行っています。

緊張型頭痛(筋収縮性頭痛)

最も一般的な頭痛タイプで、日本人の約20%が経験しています。

  • 両側の頭に締め付けられるような、圧迫されるような痛み
  • 軽度から中等度の痛み(通常の活動を妨げることは少ない)
  • 吐き気はあまり伴わない
  • 数時間から数日間、慢性化すると持続的に続くことも

長時間のデスクワーク、姿勢の悪さ、ストレス、睡眠不足などが原因となることが多く、首や肩のこりを伴うことがよくあります。治療は生活習慣の改善、ストレス管理、適切な鎮痛剤の使用、時には筋弛緩剤の処方なども行います。

群発頭痛

比較的まれな頭痛ですが、「自殺頭痛」と呼ばれるほど激しい痛みが特徴です。

  • 片側のこめかみや目の周りに焼けるような激痛
  • 15分〜3時間程度続く痛み
  • 同じ側の目の充血や涙、鼻づまりや鼻水、まぶたの下垂などを伴う
  • 1日に何度も発作が起こり、それが数週間から数ヶ月続く「群発期」がある
  • 男性に多い(男女比約4:1)

群発頭痛は適切な治療を早期に開始することが重要です。急性期治療としては酸素吸入やトリプタン製剤の注射・点鼻薬が有効で、予防薬としてはカルシウム拮抗薬などを使用します。

薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)

もともと片頭痛や緊張型頭痛がある方が、頭痛薬を月に10日以上、3ヶ月以上にわたって使用していると発症することがある頭痛です。

  • 以前あった頭痛が頻度・強度ともに増悪する
  • 頭痛薬の効果が徐々に弱くなる
  • 薬を止めると一時的に頭痛が悪化する(離脱症状)

治療は原因となっている薬剤の中止が基本ですが、専門医の指導のもとで行う必要があります。当クリニックでは患者さまにとって無理のない薬剤減量プログラムと、適切な予防療法の導入を組み合わせて治療します。

二次性頭痛

くも膜下出血による頭痛

くも膜下出血は脳動脈瘤の破裂などにより、脳を覆うくも膜下腔に出血が生じる重篤な疾患です。

  • 「今までに経験したことのない激しい頭痛」が特徴
  • 「頭を殴られたような」「雷が落ちたような」と表現される突然の激痛
  • 吐き気・嘔吐、意識障害、麻痺などを伴うことがある
  • 緊急の治療が必要な命に関わる状態

このような症状がある場合は、一刻も早く医療機関を受診してください。当クリニックでは緊急CT検査を行い、必要に応じて高次医療機関と連携した迅速な対応を行います。

脳腫瘍による頭痛

脳腫瘍による頭痛は、腫瘍の大きさや場所によって症状が異なります。

  • 朝方や夜間に悪化することが多い
  • 咳やくしゃみなど頭蓋内圧が上昇する動作で増強する
  • 嘔吐を伴うことがある(特に朝)
  • 徐々に頻度や強さが増してくる傾向がある
  • 他の神経症状(麻痺、感覚障害、視力障害など)を伴うことがある

当クリニックではMRIやCTを用いた精密検査により、脳腫瘍の早期発見に努めています。発見された場合は、腫瘍の種類や状態に応じて最適な治療法をご提案します。

椎骨動脈解離による頭痛

首の動脈(椎骨動脈)の内膜が裂け、動脈の壁内に血液が入り込む状態です。

  • 後頭部から首にかけての突然の激しい痛み
  • めまい、吐き気、歩行困難などを伴うことがある
  • 若年〜中年の方に多い
  • 首の不自然な動きやスポーツなどをきっかけに発症することもある

MRIやMRA(磁気共鳴血管撮影)などの検査で診断します。早期発見・治療が重要なため、後頭部の急な痛みとめまいなどの症状がある場合は速やかに受診してください。

小児の頭痛

小児の頭痛は大人と異なる特徴がありますが、見過ごされがちです。

  • 片頭痛でも両側性のことが多い
  • 発作時間が短いことがある
  • 腹痛など他の症状が目立つこともある
  • 学校や家庭のストレスが関連していることがある

当クリニックでは小児の頭痛にも対応しており、年齢に応じた問診と検査を行い、成長に配慮した治療計画を立てています。保護者の方への説明も丁寧に行います。

その他の原因による頭痛

上記以外にも以下のような原因で頭痛が生じることがあります。

  • 副鼻腔炎による頭痛(前頭部や顔面の痛み、鼻閉や鼻汁を伴う)
  • 側頭動脈炎(高齢者に多い、こめかみの拍動性の痛みとこわばり)
  • 高血圧性頭痛(後頭部の拍動性頭痛、朝に多い)
  • 低髄液圧性頭痛(起立時に増強し、横になると改善する頭痛)
  • 三叉神経痛(顔の一部に電気が走るような瞬間的な痛み)

くわた脳神経外科クリニックでは、これらまれな頭痛についても適切な診断と治療を行っています。

当脳神経外科クリニックで行う頭痛の検査と治療

検査

当クリニックでは患者様の症状に応じて、必要な検査を選択して行います。

頭痛専門問診:国際頭痛分類に基づいた詳細な問診

神経学的診察:脳神経の異常の有無を確認

頭部CT:くも膜下出血や脳出血などを素早く発見するための検査

頭部MRI/MRA:脳腫瘍や血管異常など、詳細な画像診断

頸部血管エコー:頸動脈の狭窄や解離などの評価

血液検査:炎症反応や貧血の有無など全身状態の確認

これらの検査結果に基づき、頭痛の原因を正確に診断します。二次性頭痛(脳の病気や他の身体的な原因によって引き起こされる頭痛)の可能性がある場合は、より詳細な検査や専門病院との連携も行います。

治療

頭痛の種類や原因に応じて、以下のような治療を行います。

薬物療法

・急性期治療(トリプタン製剤、NSAIDs、鎮痛剤など)

・予防療法(カルシウム拮抗剤、抗てんかん薬、抗うつ薬、CGRP関連抗体など)

生活指導

・頭痛ダイアリーの活用

・睡眠習慣の改善

・食事内容の見直し

・ストレス管理法の指導

非薬物療法

・リラクセーション技法の指導

・バイオフィードバック(筋肉の緊張を和らげる訓練を実施)

・頸部のストレッチや姿勢指導

急性期対応

・重症頭痛に対する点滴治療

・必要に応じた入院加療の手配

当クリニックでは患者さまお一人おひとりの生活スタイルや価値観を尊重し、無理なく続けられる治療プランをご提案します。

片頭痛の予防薬について

片頭痛が月に4日以上ある場合や、生活に支障をきたす強い発作がある場合は、予防薬の使用を検討します。予防薬は発作の頻度、強さ、持続時間を減らし、急性期治療薬の使用量も減少させることができます。

盛岡市のくわた脳神経外科クリニックでは、従来の予防薬に加え、最新のCGRP関連薬を積極的に取り入れた治療を提供しています。

当院が注力する最新のCGRP阻害薬による治療

当クリニックでは、片頭痛治療において画期的な進歩をもたらしたCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)阻害薬の処方・管理に特に力を入れています。これは片頭痛の病態に直接関わるCGRPという物質の働きを抑える薬剤で、従来の予防薬とは全く異なるメカニズムで効果を発揮します。

CGRP阻害薬の主なメリット

高い有効性:臨床試験では50%以上の患者さんで片頭痛日数が半減以上

即効性:従来の予防薬より早期(1週間~1ヶ月程度)から効果が現れる

少ない副作用:眠気・めまい・体重増加などの日常生活への影響が少ない

高い服薬アドヒアランス:毎月1回の注射剤があり、毎日の服薬が不要な選択肢も

 ※服薬アドヒアランスとは、患者さんが自身の病気について理解し、医師や薬剤師の指示に従って、自主的に薬を服用し、治療に積極的に参加することです。以前は「服薬コンプライアンス」という言葉が使われていましたが、近年は「服薬アドヒアランス」という言葉が使われるようになり、患者さまが治療方針に賛同し、自律的に治療に参加する、という考え方が重視されています。当院でもしっかりと診察や説明を行い、患者さまご自身が抱えておられる症状や疾患について理解を深めたうえで納得して治療方法を選んでいただけるよう努めております。

当院では、エレヌマブ(アイモビーグ®)、ガルカネズマブ(エムガルティ®)、フレマネズマブ(アジョビ®)などの各種CGRP阻害薬を取り扱っており、患者様の生活スタイルや片頭痛のパターンに最適な薬剤を選択しています。

CGRP阻害薬による治療は保険適用されていますが、一定の条件があります。当クリニックでは専門医が詳しく症状を評価し、適応がある場合には丁寧に使用方法を説明し、継続的なフォローアップを行っています。注射タイプの場合は、自己注射の指導も看護師が丁寧に行いますので、初めての方でも安心して治療を開始できます。

その他の予防薬

CGRP阻害薬以外にも、患者様の状態に応じて以下のような予防薬を使用しています。

カルシウム拮抗薬(ロメリジンなど):血管を拡張し、脳の過敏性を抑制

β遮断薬(プロプラノロールなど):血管収縮を抑制

抗てんかん薬(バルプロ酸、トピラマートなど):神経の興奮を抑制

抗うつ薬(アミトリプチリンなど):痛みの伝達経路に作用

漢方薬(呉茱萸湯、釣藤散など):体質改善や自律神経調整に作用

これらの薬剤は1-3ヶ月かけて効果が現れることが多く、少なくとも3-6ヶ月の継続が推奨されています。当クリニックでは薬剤の効果と副作用を定期的に評価し、必要に応じて調整を行っています。

予防療法の総合的アプローチ

当クリニックでは薬物療法だけでなく、片頭痛の引き金となる因子(トリガー)の特定と回避、生活習慣の改善、ストレス管理なども含めた総合的な予防プログラムを提供しています。専用の頭痛ダイアリーアプリの活用もサポートし、より効果的な予防につなげています。

頭痛はなぜ医師に診てもらうのがよいのか?

頭痛は多くの方が経験する症状ですが、自己判断で対処していると以下のようなリスクがあります。

1. 重大な疾患を見逃す可能性

頭痛のほとんどは命に関わらない一次性頭痛ですが、まれに脳腫瘍やくも膜下出血などの生命に関わる二次性頭痛も存在します。医師による適切な診察や検査を受けることで、危険な頭痛を早期に発見し、適切な治療につなげることができます。

2. 慢性化・難治化のリスク

適切な治療を受けずに市販薬で対処し続けると、以下のような悪循環に陥ることがあります。

・薬物乱用頭痛(薬剤の使用過多による頭痛)の発症

・頭痛発作の頻度増加・重症化

・仕事や家庭生活への影響の拡大

・精神的ストレスの増加による頭痛のさらなる悪化

早期に専門医を受診することで、この悪循環を断ち切り、頭痛の慢性化を防ぐことができます。

3. より効果的な治療へのアクセス

頭痛、特に片頭痛の治療は近年大きく進歩しています。当クリニックでは前述のCGRP阻害薬など、最新かつ効果的な治療法を提供しています。これらの治療は医師の処方が必要であり、自己治療では利用できません。

4. 正確な診断に基づく適切な治療

頭痛には様々な種類があり、それぞれに最適な治療法が異なります。例えば、

・片頭痛にはトリプタン系薬剤が効果的

・群発頭痛には酸素吸入が有効

・緊張型頭痛には筋弛緩剤が効果的なことも

医師による正確な診断を受けることで、自分の頭痛タイプに最適な治療を受けることができます。

5. 生活の質の向上

適切な頭痛管理によって得られるメリットは計り知れません。

・頭痛による仕事の欠勤・能率低下の減少

・家族や友人との時間を頭痛なく楽しめる

・旅行や趣味などの予定を頭痛の心配なく立てられる

・頭痛への不安や恐怖からの解放

当クリニックでは単に頭痛を治療するだけでなく、患者様の生活全体の質を向上させることを目指しています。

どのタイミングで頭痛外来を受診すべき?

以下のような場合は、できるだけ早く当クリニックの頭痛外来を受診されることをお勧めします。

緊急受診が必要なケース

次のような症状がある場合は、重篤な疾患の可能性があるため、すぐに受診または救急車を呼んでください。

今までに経験したことのないような激しい頭痛

突然始まった雷が落ちたような激痛(サンダークラップ頭痛)

頭痛に加えて、意識障害、言語障害、手足の麻痺がある

高熱を伴う激しい頭痛

頭部外傷後の増強する頭痛

がん患者さんや免疫不全のある方の新たな頭痛

50歳以上で初めて現れた激しい頭痛

早めの受診をお勧めするケース

以下のような場合は、できるだけ早い段階での受診をお勧めします。

頭痛の頻度や強さが徐々に増してきている

以前とは性質の異なる頭痛が現れた

市販薬が効かなくなってきた

市販薬を週に2回以上使用している

頭痛が仕事や日常生活に支障をきたしている

朝方に悪化する頭痛や、咳やくしゃみで増強する頭痛

妊娠中に現れた頭痛

慢性頭痛の管理のために受診を検討するケース

以下のような場合も、専門的な診察と治療が役立ちます。

月に4日以上の頭痛がある

頭痛のために予定をキャンセルすることが多い

頭痛のパターンを理解したい

頭痛の予防法について知りたい

ストレスや生活習慣と頭痛の関係について相談したい

子どもの頭痛について相談したい

当クリニックは、緊急性の高いケースには柔軟に対応しています。また、初診時には十分な時間をかけて詳しい問診と診察を行いますので、これまでの頭痛の状況がわかるメモや、服用中のお薬の情報をお持ちいただくとスムーズです。

頭痛は「我慢するもの」ではなく、適切な治療で改善できる症状です。長年の頭痛でお悩みの方も、ぜひ一度当クリニックの頭痛外来にご相談ください。専門的な知識と経験を持つ医師が、患者さまお一人おひとりに寄り添い、最適な頭痛管理をサポートします。

「頭痛のない生活を取り戻す」—それが盛岡市のくわた脳神経外科クリニックの頭痛外来の使命です。あなたの一歩を、私たちはしっかりとサポートします。