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Toggle夏場こそ脳梗塞リスクが高まる理由
皆さん、こんにちは。くわた脳神経外科クリニック院長の桑田です。
まだまだ夏の暑さが厳しいですね。多くの方が「脳梗塞は冬の病気」というイメージをお持ちかもしれませんが、実は夏の脳梗塞リスクも決して低くありません。むしろ夏特有の危険因子があることをご存知でしょうか。
当院では盛岡市内の脳神経外科専門クリニックとして、地域の皆さまへ夏場の脳血管疾患に注意を呼びかけています。今回は夏の脳梗塞リスクとその予防法についてお伝えします。
夏の脱水と脳梗塞の意外な関係
夏の強い日差しの下では、気づかないうちに大量の汗をかいています。この脱水状態が血液を濃縮させ、血栓ができやすくなるのです。
「水分はしっかり取っているから大丈夫」と思っていても、エアコンの効いた室内と外の温度差による自律神経の乱れや、暑さによる食欲低下で水分摂取が不十分になりがちです。
私が以前診察した60代の男性患者さんは、猛暑日に庭の草取りをした後、突然の言語障害と右半身の麻痺を発症され、救急搬送時には重度の脱水による脳梗塞と診断されました。日常的にありがちな状況が命に関わる事態を招くことがあるのです。
脳梗塞予防のための夏の過ごし方
<水分補給の正しい方法>
脳梗塞予防の基本は適切な水分補給です。ただし、冷たい飲み物をがぶ飲みすることは避けましょう。温度差による自律神経への負担を減らすため、常温の水や麦茶を少量ずつこまめに飲むことをおすすめします。
1日の目安は1.5〜2リットルです。特に起床時と入浴前後は意識して水分を摂りましょう。高齢の方は喉の渇きを感じにくいため、時間を決めて水分を取る習慣づけが効果的です。
<夏バテと脳梗>
夏バテで食欲が落ちると、栄養バランスが崩れて血管の健康を保てなくなります。特に塩分の過剰摂取は血圧上昇を招き、脳梗塞リスクを高めます。
当院では季節に合わせた脳梗塞予防食として、水分と栄養をバランスよく取れる一汁三菜の和食をお勧めしています。
<エアコンの使い方と温度管理>
エアコンの設定温度は28℃前後が理想的です。室内外の温度差が5℃以上あると、血管が急激に収縮・拡張し、血圧変動を招きます。
特に就寝時のエアコン使用には注意が必要です。タイマー設定や適切な掛け布団の選択で、朝方の冷え過ぎを防ぎましょう。
脳梗塞の前兆症状を見逃さないために
脳梗塞は発症後4.5時間以内の治療開始が重要です。以下の症状を感じたら、すぐに盛岡市の脳神経外科クリニックである当院や救急医療機関を受診してください。
・片側の手足や顔半分の急な麻痺やしびれ
・ろれつが回らない、言葉が出てこない
・突然の激しい頭痛
・めまいや立ちくらみが続く
・視野の異常(物が二重に見える、見えにくくなるなど)
盛岡市の夏と脳梗塞
盛岡市は内陸性気候のため、昼夜の寒暖差が大きく、夏でも朝晩は冷え込むことがあります。この気温差が自律神経に負担をかけ、脳血管疾患のリスクを高める可能性があります。
特に8月の盛岡は、日中の暑さと朝晩の涼しさの差が激しくなるため、体調管理には一層の注意が必要です。当院では盛岡市の脳神経外科として地域特性に合わせた予防アドバイスを行っています。
夏を健やかに過ごすために
夏の脳梗塞予防のポイントは以下の3つです。
・こまめな水分補給で脱水を防ぐ
・バランスの良い食事で血管の健康を保つ
・急激な温度変化を避け、適切な環境を整える
脳梗塞は治療より予防が何より大切です。「夏だから大丈夫」という油断が命取りになることもあります。日常生活の中で意識して予防を心がけましょう。
当クリニックでは脳ドックや血管検査など、脳梗塞の早期発見・予防に役立つ検査も行っています。夏の健康管理にご不安がある方は、ぜひ盛岡市の脳神経外科である当院にご相談ください。