寒さが厳しくなる盛岡の冬は、美しい雪景色とともに、実は脳卒中のリスクが高まる季節でもあります。脳神経外科の診療現場では、冬季に脳卒中患者さんが増加する傾向が顕著に見られます。なぜ寒い季節に脳卒中が起こりやすいのか、そしてどのように予防すればよいのかについて、詳しく解説していきます。
寒さが引き起こす血管への影響
血圧の急激な変動
冬の寒さは私たちの体に大きな影響を与えます。特に注意が必要なのが血圧の変動です。暖かい室内から寒い屋外へ出た際、体温を維持しようとして血管が急激に収縮します。この反応により血圧が上昇し、脳の血管に大きな負担がかかるのです。
盛岡のような寒冷地では、朝の通勤時や雪かき作業中など、温度差の大きい環境に身を置く機会が多くなります。この急激な温度変化が、脳卒中発症の引き金となることがあります。
ヒートショック現象
特に危険なのが、入浴時のヒートショックです。暖房の効いた部屋から冷えた脱衣所へ移動し、さらに熱い浴槽に入ることで、血圧が乱高下します。この急激な変化が脳血管に過度なストレスを与え、脳出血や脳梗塞を引き起こす可能性があります。脳神経外科の専門医として、冬場の入浴には特に注意を呼びかけています。
冬特有の生活習慣と脳卒中リスク
運動不足と体重増加
寒い季節は外出や運動の機会が減少しがちです。盛岡の冬は積雪も多く、散歩やジョギングなどの日常的な運動が難しくなります。運動不足は血液循環を悪化させ、血栓ができやすい状態を作り出します。
水分摂取の減少
冬は夏に比べて喉の渇きを感じにくく、知らず知らずのうちに水分摂取量が減少します。脱水状態になると血液が濃縮され、粘度が高くなります。この状態は血栓形成を促進し、脳梗塞のリスクを高めます。
脳神経外科医が勧める冬の予防策
温度管理の徹底
自宅内の温度差を最小限に抑えることが重要です。脱衣所や廊下、トイレなども暖房を使用し、室温を一定に保ちましょう。外出時は十分な防寒対策を行い、急激な温度変化を避けてください。
血圧の定期的な測定
毎日決まった時間に血圧を測定し、記録する習慣をつけましょう。特に早朝の血圧が高い場合は、脳卒中のリスクが高まります。異常を感じたら、すぐに脳神経外科を受診することをお勧めします。
適度な水分補給
冬でも意識的に水分を摂取しましょう。起床時、就寝前、入浴前後には特にコップ一杯の水を飲む習慣をつけてください。ただし、アルコールやカフェインを含む飲料は利尿作用があるため、水分補給としては適していません。
室内でできる軽い運動
寒い日でも、室内でストレッチや軽い体操を行いましょう。血液循環を促進し、血栓予防に効果的です。
見逃してはいけない脳卒中の前兆
FAST(ファスト)を覚えておきましょう
Face(顔):顔の片側がゆがんでいる
Arm(腕):片方の腕に力が入らない
Speech(言葉):言葉が出にくい、ろれつが回らない
Time(時間):これらの症状が一つでもあれば、すぐに救急車を呼ぶ
これらの症状は一時的に消えることもありますが、決して様子を見てはいけません。脳神経外科での迅速な治療が、後遺症を最小限に抑える鍵となります。
盛岡で安心して冬を過ごすために
冬の脳卒中リスクを理解し、適切な予防策を実践することで、リスクを大幅に減らすことができます。特に高血圧、糖尿病、脂質異常症などの持病がある方は、定期的に脳神経外科を受診し、専門医の指導のもとで健康管理を行うことが大切です。
寒い盛岡の冬を健康に過ごすために、日々の生活習慣を見直し、脳卒中予防を意識した生活を心がけましょう。気になる症状があれば、遠慮なく盛岡市のくわた脳神経外科クリニックまでご相談ください。脳卒中は早期発見、早期治療が何よりも重要です。